【新型コロナウィルス蔓延中】のシンガポール旅行 現地は意外なほど平穏だった

3月初旬、世界的な広まりを見せる新型コロナウィルス蔓延中の最中シンガポールへ旅行していきました。
この時期に行くということで、事前に入念に現地情報を調べていましたが、独裁?国家シンガポールの新型コロナウィルス対応は迅速かつ適切。
自分がシンガポール旅行をするのは全く問題ないと判断。予定通りシンガポールに行くことにしました。
実際に、シンガポール滞在中特に困ったことはなく、取り調べが厳しいこともなく、一部の観光地がものすごく空いていたのを除けば呆気ないいほど全ての物事がスムーズに進んだ旅行でした。
今回の内容
シンガポール旅行前に感じたあれこれ
シンガポールが安全であると思った理由
シンガポールは華人が7割とも8割とも言われている国。国民の多くが英語以外に中国語を話すことができます。
当然、中国からの観光客は大のお得意様で日本同様に爆買いの恩恵を受けている国の代表格。
そしてマリーナベイサンズやセントーサ島のカジノでも中国人は大事な大事なお客様。
そんなシンガポール。新型コロナウィルスの感染が中国以外に広まりつつあった当初は感染者が中国に次いで第2位だった時期もあります。
しかしシンガポール政府の対応は迅速この上ないものでした。
日本はようやくこの度、中国から日本への入国を実質的に禁止する方向に舵を切りましたが、シンガポールが中国のからの渡航を禁止したのは2月1日。
過去14日の間に中国に渡航歴がある場合、国籍を問わずシンガポールの入国は停止。
シンガポール国民と、外国人で就労ビザや学生ビザなど長期滞在ビザの保有者については、過去14日間に中国へ渡航した場合、シンガポール入国から14日間の休暇取得を義務付けられました。
大国中国に対してこれだけ迅速が対応ができるのも強権国家シンガポールならでは。アジアの国際金融センターとして安全が何より大切ということでしょう。
また感染者数は毎日政府が公表。感染源も徹底的に調査。その様子も詳細に報道。国民はパニックになることもなく、観光客が激減したことを除けば市民は平穏な生活をしていると報じられていました。
現地に行ってみて実際にそうであることを実感しました。
むしろ日本人がシンガポールに入国できるかが心配だった
さて、中国から日本への渡航を長期間禁止しなかった罪は重く、日本のコロナウィルス感染者は増える一方。
いつの間にか日本はシンガポールを抜き感染者世界第2位に。2月下旬にはこんな感じだったと思います。
そこで新たな心配が生じます。果たして自分はシンガポールに入国できるのか?
シンガポールに行って安心と自分が思っていてもシンガポールが受け入れてくれないのではどうしようもありません。
今回、自分は運良く入国できましたが、本当に幸運だった可能性があります。
というのも、現在は韓国、イタリア、イランなどの方が日本より新型コロナウィルスの感染者が多いと報道されていますが、それを反映してこれらの国は現在シンガポールに入国することができません。
シンガポール政府観光局のホームページには以下のように記載されています。(2020.03.07現在)
1. 中華人民共和国、イラン、北部イタリア、大韓民国からの旅行者
a. 過去14日以内に中国本土、イラン、北部イタリア、韓国に旅行歴のある旅行客は、シンガポールへの入国および乗り継ぎはできません。
危なかった。状況によってはここに日本の名前があってもおかしくなかったと思います。
さて、実際の旅行はどうだったのか、特に新型コロナウィルスの影響と思われる点を中心に振り返ってみたいと思います。
飛行機-影響は少なめ?
今回のシンガポール旅行のチケットを購入したのは2019年12月25日。まだコロナウィルスは全く報じられていていない頃でした。
シンガポール航空の最新機種であるボーイング787-10がデビューして1年。その記念で福岡便限定ですが、ビジネスクラス往復チケットが込み込みで99,000円!!
シンガポール航空は決して安い航空会社ではありません。通常時はJALやANAとあまり変わらないほど。ただ時折やるキャンペーンで強烈に安くなることがあります。
しかも最新機種なのでビジネスクラスでもフルフラットになれるタイプ。この機会逃すまじと飛びつきました。
ちなみにこの料金では当然チケットの払い戻しは当然できません。
旅行前に「よくこの時期に行くな」みたいな意見もありましたが、行かなかったら10万円捨てるだけです。ありえないでしょ!
もっと詳しく言うと福岡へはANAで行ったのでそのチケット代、更にはホテル代も返ってきません。
現在、多くのイベントが中止しなけらばいけないような流れになっています。また行われるイベントに文句を言う人も。
しかし中止してその経済的な損失を被るのはイベント主催者および関係者。資金力が豊富なとこばかりじゃないでしょう。零細イベンターなら一瞬で破産です。文句を言う人はそこまで考えているのかね?
さてそれはともかく、そのシンガポール航空のビジネスクラスですが、行きはガラガラでした。
しかし帰りはほぼ満員。日頃の福岡-シンガポール便がどの程度混むのか分かりませんが、そこまで大きな影響は感じませんでした。
一方でANAの羽田-福岡便ですが、行きも帰りもたくさん乗客がいました。特に帰りはほぼ空席がなかったと思います。日本人の移動は通常通り?
ただ帰りの便ではドリンクが中止!になっていました。2時間のフライトなので我慢できますが、国内線とはいえ飛行機にドリングが出ないのは非常識では?
事前に言ってくれればドリンクを購入していきましたが、地上職員からは何も言われませんでした。
そうそう、飛行機というより空港ラウンジですが、羽田空港国内線を利用する時にたいていのゴールドカードがあれば無料で利用できる「パワーラウンジ」。
朝は無料でクロワッサンが食べられるのですが、なんと提供が中止に!なんてこった。
ちなみに福岡空港でシンガポール航空を乗る前に利用した「ラウンジ福岡」、シンガポールチャンギ国際空港で利用した「シルバークリスラウンジ」は何の影響をもなくごく普通に営業していました。
食事やドリンクなど制限していたものはなかったと思います。
シンガポール入国、ホテルやショッピングセンターへの入場時の検査
かなり検査されることを覚悟していましたが、入国はサーモグラフィで体表温度を検査してただけ。
今では新型コロナウィルスが発生していなくても使われていますよね。
ベイサンズのショッピングセンターでも入り口で検査していましたが。
何も行っていないショッピングセンターもありました。特に義務という訳ではなさそう。
ホテルでは人が手動で検温器らしきもので検温していましたが、夜の時間帯にはいませんでした。
ちなみに地下鉄に乗るのはノーチェック。タイのバンコクでは地下鉄に乗るのにテロ防止の荷物検査があったりしますが、そのようなものもなし。
という訳で場所によっては取り調べのような対応を覚悟していましたが、結局何も起こりませんでした。
驚いたのはどこも空いているせいか職員・店員の態度がゆるいこと。
入国審査の時には担当者が隣の担当者と私語を話していたし、空港のインフォメーションセンターではスタッフが寝ていた!
さらにベイサンズの高級ブランドショップでは人がいないためか、スマホを堂々と見ている人が多数。
罰則が多く規律の国という印象があるシンガポールですが、この辺は東南アジア。ゆるい!日本とは全然違います。
マスクをしている人の数
マスクをしている人はとにかく少なかった印象。多くて2割くらい。少ない所だと1割未満。
自分も最初はしていたのですが、すぐに外しました。というのも気温が30度を超えるシンガポール。マスクをすると汗の量が増えます。
マスクをしていたのはほとんど中高年。10台の学生でマスクをしていたのはほぼ皆無。
また西洋人はそもそもマスクをつける習慣がありません。マスクをしていた人はほぼ見かけませんでした。
帰りに福岡に着いてから地下鉄に乗ったら8割以上の人がマスクをしていて本当に対照的でした。
観光地やレストランの人混みの状況は?
一部の観光地はガラガラ。観光客目当てのレストランもガラガラでしたが、ローカルの人が行くレストランは普通に混んでいるところもたくさんありました。
マーライオンパーク
衝撃的だったのはマーライオンパーク。
写真を見て分かりますか?あれだけいつも人が多くて写真を撮るのも一苦労する場所に人がいません。
ちなみに通りかかるアジア人は日本人ばかり。中国人も韓国人も入国できないので当然かもしれませんが。特に休暇中の女子大生風の人多かった。
観光名所でこれだけ日本語率が高かったのは久しぶり。一昔前はそうだった気がするのですが。
マリーナベイサンズとガーデンズバイザベイ
マリーナベイサンズは普通に人が多かった印象。いつもよりは少ないのでしょうが。
ただ夜の名物である光のショー「スペクトラ」は中止になっていました。
こちらはマリーナベイサンズ内のイベントプラザ。「スペクトラ」の鑑賞ポイントです。

イベントプラザ@マリーナベイサンズ
少し前に雨が降ったこともあり、人の姿はまばら。
そしてスペクトラが中止になった貼り紙がありました。
2月8日から中止になったようです。
ただナイトショーと言えばマリーナベイサンズに隣接したガーデンズバイザベイもナイトショーはあります。こちらは通常通り行われていました。
「スペクトラ」がなくなったせいかこちらは大混雑。
ショーは存分に楽しめました。
スペクトラを見れなかったのは残念ですが、ガーデンズバイザベイのナイトショーがあっただけ救われました。こちらもなかったらもっと寂しかったでしょう。
ウィーナムキー@マリーナスクエア
海南鶏飯の名店「ウィーナムキー」マリーナスクエア店はびっくりするのほど空いていました。
海南鶏飯はすごく美味しかったですが。こちらも店員が暇そうでおしゃべりに花が咲いていました。
328カトンラクサ@カトン地区
ラクサの超名店「328カトンラクサ」も空いていました。ただぽつぽつ客はいました。
天天海南鶏飯@マックスウェルフードセンター
MRTの「チャイナタウン」を降りてマックスウェルフードセンターへ向かう途中のパゴダ通りはガラガラ。シンガポールの中華街は中国人入国禁止のあおりをモロに受けているよう。
「マックスウェルフードセンター」も空いていました。
席を確保するのに全然苦労しません。
ただ目指す「天天海南鶏飯」は普通に行列がありました。
ローカルで賑わう店はそこまで空いていなかった印象。
翌日にMRTオーチャードの駅に隣接した地下4階のIon(アイオン)のフードコートに行きましたが、ここも普通に混んでいました。
レストランについてはいつもよりは空いているのは間違いない。特に観光客で賑わう店は大打撃を受けている。ローカルで賑わう店はそれほどでもない?という印象でした。
という事で、皮肉にも観光客が減少した恩恵はそれなりに享受することができました。
「スペクトラ」見れなかった事以外にこれといった損失もなく、本当に入国できてラッキーだったと思います。